◆小児の直接抜髄の手順は以下の通りです。
●ゼリーを付ける → 麻酔をする → 休憩タイム → ラバーダムセット
→ けずる → 抜髄 → 洗浄 → ちょう薬 → ストッピング の順で行う。
※下記の記述中、「□□〜」は話しかける会話、括弧書き(□□〜)は行動です。
◆ゼリー(いい匂いのお薬)を付ける
「つっかい棒ね、おっきなアーンして。」
(バイトブロックを入れる。)
「おつばさん取るやつ入れるね。」
(排唾管を入れる。)
「わたさん入れるね。」
(ロールワッテを入れる。)
「いい匂いのお薬付けるね。でもなめるとまずいからなめたらダメだよ。」
(ゼリーを付ける。)
(砂時計を用意して子どもに持たせる。)
「手出してお砂さん持って見ててね。」
「お砂さんがなくなったら教えてね。そしたらいい匂いのお薬取るからね」
(子どもと会話し、恐怖感、緊張感をやわらげる。)
◆麻酔(お虫さんが眠くなる薬)をする
「わたさんといい匂いのお薬とるけど、まだなめちゃだめだよ。お砂さんがなくなったら反対にしてね。」
(子どもに見えないようにカートリッジを持つ。)
「ちょっとギュッとするけど、これだけがんばってね。」
◆浸麻をする (出来るだけゆっくりと薬を入れていく。薬を入れている間、常に子どもに話しかけるようにする。)
「お口の中でふうせんがふくらんでくるよ。」
「どう?ふくらんできた?」
「もっとおおきくなるよ。」
「お虫さん、ぐーぐー言ってきたかな?」
(子どもの表情をみて、「まずい?」と聞いたり、「まずい」と言われたらバキュームをする。)
(カートリッジを使い終わったらすぐにキャップをして、タオルなどでかくす。)
「わたさん、とるね。」
(ロールワッテをとる。)
「おっきなアーンして。」
(バイトブロックと、排唾管をとる。)
「まずいでしょ。お口が変だからお顔を前の方に出して、いっぱい、ぐちゅぐちゅぺ、してね。」
(うがいをする時に口から水がこぼれると、子ども自身がビックリするのであらかじめ声をかけておく。)
「ぐちゅぐちゅぺ、したらベットさんからおりていいからね。ベットさん下におりるよ。」
(チェアーを下へ下ろす。)
「お口が変なの分かるよね。ベロでさわってもいいけど、手でさわらないでね。」
「お虫さんが起きないようにそーっとしておいてね。」
「お虫さんが寝ちゃうまでお母さんとあそんでてね。」
◆休憩タイム(10〜20分)
(親に説明する)
「麻酔がしてあります。10分ぐらい遊んでいてください。口を手で触らないようにして下さい。」
(タイマーをセットし(10分ほど)、残り3分になったら子どもをトイレに行かせる。)
「○○ちゃん、今からお虫さん退治するのに時間がかかるから、トイレに行って来てね」
「行ってきたら中に入ってね。」
(子どもが来たらエプロンを付け、チェアーにのぼらせて口をゆすがせる。)
「ベットさんにのぼってぐちゅぐちゅぺ、してね。できたら、ゴロンしてね。」
◆ラバーダムセット
「レインコートさんね。これをつけておくとお口の中にお水も、お虫さんも、
お薬もいかないんだよ。」
(ラバーダムをセットする。)
「カガミでお口の中見ててね。」
(子どもに鏡を持たせる。)
「つっかい棒さん入れるね。おっきなアーンして。」
(バイトブロックを入れる。)
「おつばさんとるの入れるね。」
(排唾管を入れる。)
「レインコートさんひろげるね。」
(ラバーダムをエキスカで広げる。)
(ヤングのフレームを付ける。)
(ティッシュを入れる。)
「お虫さんみえた?そうしたらカガミさんちょうだい。」
(子どもから鏡を受け取る。) |
 ラバーダム(レインコートさん)を付けた所 |
「水がお顔にかかったり、かゆかったり、
お虫さんが起きて来ちゃってギュッとなったりしたら、
ご用がある時は、こっちの手(左手)を「はい」しておしえてね」 |

ご用がある時は左手を「はい」して教えてね。 |
◆けずる
(少し削ってみてから、手を止めて質問をする。)
「ご用がある時はどっちの手を「はい」するのだったかな?」
(子どもが右手をあげたら、左手をあげる事をおしえる。左手をあげた時はほめる。)
「掃除機さんと音の出るお水さんがいくよ。痛かったら「はい」しておしえてね。」
(削る、バキュームをする)
◆抜髄(お虫さんのお部屋をきれいにする)
(クレンザー使用後、子どもに見えないようにかくす。リーマー、ファイルで抜髄と拡大をする。)
(ずっと子どもに話しかけながら行うようにする。)
「お虫さんいなくなっちゃったから、今度はお虫さんのいたお部屋のお掃除するね。」
「○○ちゃんは、おもちゃを出して遊んだら、おかたづけするかな?」
「お虫さんはきたない所が好きだから、おかたづけしないんだよ。
だからお虫さんのいたお部屋のお掃除するんだよ。」
「お虫さんのお部屋はすごーく小さいお部屋が3つあるよ。」
「きたないのがいっぱいでてきたよ。」
「すごーくきれいになったよ。」
◆洗浄
「お虫さんのお部屋を洗うね。」
(水とエアーをする)
(バキュームをする。そのまま続ける。)
「お薬を2つあわせるとアワがボコボコって出てくるよ。」
(ここで使う器具(シリンジなど)は全部子どもに見えないように
使用すること。) |
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◆ちょう薬
「お薬入れるね。もう少しで終わりだよ。きれいになったよ。」
(ブローチで根管へ薬をふく) |
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◆ストッピング(ふたさん)
「◎◎色のふたさん入れるね。なめると熱いからなめちゃだめだよ。」
(ストッピングを根に入れ、ストッパーで形を整える)
「レインコートさんはずすね。」
(ラバーダムを外す。)
(バイトブロック、排唾管を外す。)
「はい、よくできました!たくさんぐちゅぐちゅぺ、してね。おわりです。」
「ぐちゅぐちゅぺ、が出来たら、おりていいからね。」
「ベットさん下におりるよ。よくがんばれたね。上手に出来たね。」
(チェアーを下ろして、子どもが降りたらエプロンをはずす。)
子どもに上手に出来たことを褒めてあげましょう。 |